
着物の帯にも種類があるんです!
着物は帯で着るという言葉があるように、帯は着物を着る上で重要なものです。
着物と同様に、帯にも格があり種類もいくつかあるので、どれにどのタイプを合わせたらいいのか、合わせるモノを悩む人も多いと思います。^^;
素材や柄のデザインなど、季節に応じて着物や合わせる帯を考えることも、楽しみのひとつです。(^^)
このページでは、着物の帯にはどんな種類があるのかを始め,それぞれの結び方などを紹介していきます。
着物の帯一覧(女性編)
女性の着物に使われる帯は、袋帯・名古屋帯・半幅帯・兵児帯・夏帯の5種類に分けられます。
帯の種類 | 合わせる着物 | |
---|---|---|
袋帯 | ![]() |
黒留袖 色留 袖振袖 訪問着など |
名古屋帯 | ![]() |
礼装以外の 定番帯 小紋や紬など |
半幅帯 | ![]() |
普段着 浴衣 |
兵児帯 | ![]() |
浴衣 夏の着物 |
夏帯 | ![]() |
6~9月 単衣の着物 |
種類①~袋帯(ふくろおび)
帯を結んだ時にお太鼓が二重になる袋帯は、幸せを重ねるという意味もあり、礼装に使用される格式の高い種類です。柄は表に入ります。
- 金銀の糸を使い、格のある柄を用いた「礼装袋帯」
- 金銀の糸が少なく、個性的な柄が多い「洒落袋帯」
※ お太鼓とは?
帯を結んだ時に背中にくる部分のこと
ふさわしい着物
黒留袖・色留袖・振袖・訪問着などフォーマルな礼装用の着物を着る時に合わせます。
季節
袋帯は、オールシーズン使われています。
帯の素材が夏素材の絽、紗、羅、麻など、透け感、シャリ感がある夏用の袋帯もあります。
結び方
- 帯を半分に折り、肩にかけて衿元で着物ピンで留めます。
- 後ろの帯は折り返して手で抑えて1周巻いていきます。この時、まだ後ろは抑えたままにしておきます。
- 帯を引いて、帯板をはめて巻いていきます。
(ゴムの付いている帯板の場合は、最初にそれを付けてから帯を巻いていきます。) - 帯を引いて整えます。
- 着物ピンを外して、肩にかけていた帯を後ろに落とし、それをひねり、前の部分で折って着物ピンで留めておきます。
- 後ろの帯を開いて、開いた部分を仮紐で押さえて前で結びます。
- 帯の垂れ先を決めて仮紐をセットします。
- 帯枕をセットして背中の部分に上げて、前で結んで帯の中に隠します。
- 帯揚げは半分に折って帯枕にかけます。(最後に整えるので仮結びしておく。)
- 帯の形を作ります。
- 垂れ先の仮紐はそのままで、最初に巻いた仮紐をほどきます。
- 垂れ先の仮紐を目安にして帯を折り返し、前で結びます。
- 整ったら、前の部分で留めていた手先を帯の中に入れて整えます。
- 帯締めを通して、シワを伸ばしたあと帯締めを締めます。
- 仮紐を外し、帯揚げを結んで帯に入れて完成です♪
種類②~名古屋帯(なごやおび)
大正時代に名古屋で考案されたことが名前の由来とされている帯のことです。
名古屋帯は、結んだ時にお太鼓が一重になります。
- 九寸:芯を入れて仕立て八寸幅に仕上げたもの
- 八寸:織りのタイプで、芯を入れずに生地の幅そのままお太鼓部分を折り返して仕上げたもの
一般的には、九寸の方が格上で、八寸は普段着の印象があります。
ふさわしい着物
名古屋帯は、礼装以外の定番で、小紋や紬などを着る時に合わせます。
季節
名古屋帯もオールシーズン使われていますが、夏素材の絽、紗、羅、麻など、透け感、シャリ感がある夏用のタイプもあります。
結び方
- 帯を半分に折り、手先を胴の幅で折り返して巻いて、帯板を挟みます。
- たたんでいた手先を抜きます。
- 背中の真ん中で手先とたれ先をひねります。
- ひねって前にきた帯を着物ピンで留めます。
- 後ろの帯を開いて、仮紐で結ぶ。
- 帯枕をセットして前で結び、帯の中へ隠す。
- 帯揚げは半分に折って帯枕にかけます。(最後に整えるので仮結びしておく。)
- 最初の仮紐をほどき、太鼓の部分を作っていきます。
- 仮紐でお太鼓の部分を決めて前で結びます。
- 着物ピンで留めていた帯を太鼓の中へ折り返したたみます。
- 帯締めで結び、仮紐を外し、帯揚げを結んで帯にしまって完成です♪
種類③~半幅帯(はんはばおび)
半幅帯は、名前の通りお太鼓の半分の幅(4寸)の種類です。
柄は、表のみのものと表と裏の柄が違うリバーシブルのものがあります。
ふさわしい着物
浴衣や普段着使いの着物に合わせます。
軽くて簡単に結べるので、カジュアルに着物を楽しむことができます。
季節
半幅帯もオールシーズン合わせることができます。
結び方
- 手先を半分におり、自分の中心から30~40cmを残して後ろに巻いていきます。
(巻いていく時に、帯を引っ張るというより下の部分を叩くと進みます。) - 前で手先と整えながら結びます。
- たれ先はだいたい10cm位にして結びます。
- 帯締めを通してから、帯を回して整えます。
- 帯板を入れてから、帯締めを締めて完成です♪

リバーシブルの半幅帯だと帯の表情の違いが楽しめそうですね。
種類④~兵児帯(へこおび)
元々は男性用の軽装帯でしたが、最近では女性用の兵児帯もあります。
兵児帯は、絞りでできた柔らかく軽い帯で結びやすいのが特徴です。
ふさわしい着物
兵児帯は、浴衣や夏の着物に合わせます。
リボンのように簡単に結べて自由な感覚で楽しめます。
季節
浴衣に合わせる兵児帯は夏のイメージがありますが、透けない素材の兵児帯ならオールシーズン合わせられます。
結び方
- 手先を自分の中心から手幅いっぱい広げた長さを目安にして、帯を巻いていき、前で結びます
- リボン結びをして、好みの形を作っていきます。
- 帯を回して、帯板を入れて整えて完成です♪
種類⑤~夏帯(なつおび)
絽、紗、羅、麻などの夏素材を用いた透け感、シャリ感がある種類のモノです。
ふさわしい着物
6~9月の単衣の着物に合わせます。
結び方
- 帯を半分に折って、さらに半分に折って、手先を残して巻いていき、前で結びます。
- リボンの幅は肩幅くらいにして整えます。
- リボンに帯を巻いて、形を整えます。
- 帯を回して完成です♪
(背中にフィットさせたい場合、仮紐を帯に通して前で結んで隠します。)
帯の柄の種類
帯の柄の入り方には種類があります。
- 全通:全体に柄が入っているもの
- 六通:6割程度の柄が入っているもの六通
- 太鼓柄:お太鼓部分のみ柄が入っているもの
着物の帯一覧(男性編)
男性の着物に使われる帯の種類は2種類で、女性の種類に比べだいぶ少ないですね。
その分、礼装用かカジュアル用と使い分けが簡単です。
帯の種類 | 合わせる着物 | |
---|---|---|
角帯 | ![]() |
礼装用の着物 から浴衣まで |
兵児帯 | ![]() |
普段着 浴衣 |
種類①~角帯(かくおび)
糊付けや芯を入れて固く仕上げた、幅が10cmほどで兵児帯よりも格が上になります。
ふさわしい着物
礼装用(着物)~カジュアル用(浴衣)まで合わせることができます。
季節
オールシーズン合わせられます。
結び方
- 手先30cmを二つ折りにして、30cmのところにバインダークリップを付け、帯と腰紐を留めたら巻いていきます。
- 手先と巻いてきた帯を締めながら巻いていきます。
- 巻いてきた帯をクリップで留めます。
- 帯を合わせ、クリップを外し、巻いてきたのを内側に巻き込みちょうどいい長さに整えたら、もう一度クリップで留めます。
- 帯を結んで形を整え、緩まないようにクリップで隠し留めをします。
- 帯を回してシワを整えれば完成です♪

バインダークリップを使った技ありテクニックですね。
種類②~兵児帯(へこおび)
カジュアルに着物を楽しみたい時に合わせるのが兵児帯になります。
ふさわしい着物
普段着の着物や浴衣などに合わせます。
季節
浴衣に合わせる兵児帯は夏のイメージがありますが、透けない素材のタイプならオールシーズン合わせられます。
結び方
- 腰に帯を巻いてリボン結びにします。
- 長い方の帯をリボンに巻き付け整え、回して完成です♪
まとめ~着物の帯の結び方
着物の帯にも、格によって合わせる種類も変わってきます。
結び方も色々な方法があることに驚きますね。
紹介した帯の結び方の他にも、角出し結び、カルタ結び、かきつばた結び、貝の口、リボン返し結びなど、さまざまな締め方があります。
同じ着物でも結び方を変えると印象も変わってくるので、TPOに合わせて帯と着物の組み合わせを楽しみましょう。(^^)
参考1~作り帯とは?
帯の種類と結び方を見てきましたが、結び方、ちょっとハードルが高い…という人もいますよね。^^;

帯が綺麗に結べない…
動画を見ると簡単そうでも、いざ結んでみるとちっとも綺麗に結べなかったり、
帯が綺麗に結べないから、なんだかんだと着物を着る機会が減ってしまう…
そんな時に便利なのが「作り帯」です。
作り帯は、現代のものと思いがちですが、着物を日常着として着ていた時代から簡単に着物を着る方法として作られていたようです。
持っている帯を作り帯にする場合、切って作るタイプと切らないタイプのモノがあります。
二部式
お太鼓の部分と胴に巻きつける部分が分かれている作り帯です。

作り帯は便利だけど、収納スペースがあるかしら?
作り帯は、着付けはとても簡単になりますが、収納するのに場所を取るので、収納場所を考えてから作るor購入したほうがいいかもしれません。
参考2~織りと染めとは?
着物に織のモノと染めのタイプがあるように、帯にも織と染めがあります。
着物の場合、織の着物が普段着、染めの着物の方が格が高いのに反して、帯は織が格上、染めがおしゃれ・カジュアルになります。
織の帯は、金銀糸やさまざまな色の糸で模様を織ったものなので格が高く礼装用で使われます。

着物と帯では織と染めの格が逆なのね~。
着物と帯の組み合わせで、「染めの着物に織のモノ、織りの着物に染めのタイプ」といわれていますが、これは絶対ではなく、季節感、素材&格の調和が取れているかが重要になってくるようです。

着物ってとても奥が深いのね。
帯揚げや帯締めひとつで印象が変わりそうだし、素敵に着こなして着物ライフを楽しめるようになりたいな。
<合わせてどうぞ♫>