

先日、着物を着て出掛けたら、うっかりして袖口を汚しちゃった…
汚すつもりはなかったのに、ボトボト飲み物が…。
特別なシーンで着る機会の多い着物。
汚れだけでなく行事ごとで1日着続けて汗をかいてしまったので洗濯したいという人もおられるでしょう。
そんな着物も普通に自宅で洗濯できるのでしょうか。
Tシャツやタオルなど普段からジャブジャブ洗っている洗濯物と違って、着物はどう洗濯していいのか迷いますよね。^^;
このページでは、自宅できる着物の洗濯方法を紹介していきます。
着物の洗濯~自宅編
着物の生地や比較的軽い汚れの小物などは、自宅で洗濯することができます。
基本的なお手入れ方法
まずは基本的な着物のお手入れ方法から見てみましょう。
- 脱いだらすぐにハンガー干しをする。
汗をかいた部分に霧吹きをし、湿気を飛ばすために、着物・帯・長襦袢を直射日光の当たらない風通しがよい場所で一晩干す。
ハンガーは、着物用のハンガーを使いましょう。 - 干した着物を畳む前に汚れがないかを調べる。
ホコリや皮脂汚れがあれば、色移りしないように白い色の乾いた柔らかい布やガーゼなどで軽く拭いておく。 - 着物・帯・長襦袢は、シワを伸ばしてから畳む。
その時、アイロンを当てるように着物の布目を手のひらで撫でるように意識してシワを伸ばします。シワが目立つ時は、あて布をしてアイロンをかけます。スチームは厳禁です✕
参考~リグロインを使用する
市販されている「リグロイン」を使って、皮脂汚れやファンデーション、シミなどの汚れを落とす方法もあります。
「リグロイン」はベンジンと同じ石油系の溶剤です。
ベンジンよりも蒸発速度が遅いので、輪染みができにくく生地も傷みにくいので、シミ抜きにはリグロインが便利です。
汚れやすい3箇所には特に注意を!
衿、袖、裾は、特に汚れやすいので、畳む前にきっちりお手入れしましょう。
- 汚れた場所の下にタオルを敷いて、リグロインを白い布などに取り、上から軽く叩きます。
布を傷めないように、決して擦らないようにましょう! - ハンガーに掛け一晩置いて、汚れが落ちているか確認する。
自宅で洗濯できるもの
着物を着るためには、長襦袢や足袋などたくさんの小物を必要とします。
すべてをクリーニングに出していたら、かなりの金額になってしまいますよね。
自宅で洗濯して失敗したらどうしようと心配になりますが、正しい方法で実施すれば、家でも着物を洗えますよ。^_^
足袋
洗濯ネットに入れて洗濯機で洗えます。
ちょっとの手間で、後々のシワを防ぐことができます。
- 洗った後、のりを薄く付けて軽く脱水する。
- シワや縫い目をピンとさせて陰干しする。
フォーマルな場所で履く足袋なら、
乾いた足袋に霧をかけて、足首、甲、つま先などにのりをかけてアイロンをかけます。
あまりに足袋の汚れが気になる時は、泥汚れやガンコな汚れをしっかり落として白く洗い上げてくれる「ウタマロ」石鹸で洗うとキレイになります。
この「ウタマロ」石鹸、靴下の激汚れが落ちて感激した思い出があります。^^;
伊達締め
絹の伊達締めは、おしゃれ着用洗剤で手洗いをします。
お湯やぬるま湯を使うと縮むので、必ず水で押し洗いをしましょう。
脱水は短く、気持ち程度にします。
その後、陰干しをして半乾きの状態で当て布をしてアイロンを掛けます。
長襦袢
ポリエステルなどの化繊や麻素材なら洗濯機の「ドライ」や「手洗い」コースなどで洗い、軽く脱水をしてシワを伸ばして陰干しします。
正絹の場合は、おしゃれ着用洗剤で手洗いをします。
その時、必ず半衿は外します。
洗ってすぐにアイロンをかけることを忘れないようにしましょう。
特別な時に着ると決めている長襦袢なら、着物クリーニングのプロにお任せするほうが安心です。
半衿
半衿も長襦袢のように絹ならおしゃれ着用洗剤で手洗いします。
ポリエステルや麻、綿素材なら洗濯機の「ドライ」や「手洗い」コースなどで洗い、軽く脱水をしてシワを伸ばして干します。
着物
着物を自宅で洗濯しようと思ったら、まずは洗濯表示を確認しましょう。
浴衣などの木綿、ポリエステルなどの化繊といった洗える素材ならば、洗濯機で洗うことが出来ます。
- キレイに畳んで洗濯ネットに入れて、おしゃれ着用洗剤で「ドライ」や「手洗い」コースで洗います。
- すすぎは短く、必ず陰干しにします。
自宅で洗濯したいけど、洗濯機で洗うのはちょっと不安という人は「つけ置き洗い」という方法もあります。
- おしゃれ着用洗剤を溶かした水の入った洗濯桶などに、畳んだ着物を入れます。
- 軽く押し洗いをしてすすぎます。
- しぼってしまっては着物の生地を傷める可能性があるので、脱水はタオルで水気を取るか、洗濯ネットに入れて少しだけ脱水し、陰干しします。
洗剤を入れすぎるとすすぎに時間がかかるので、適量の洗剤を心がけましょう。
着物を洗濯した後にシワが気になる場合は、当て布をして軽くアイロンがけをします。
- 縮む恐れがあるので、洗濯、手洗いはお湯やぬるま湯ではなく必ず水で行う!
- 脱水は短く!
シミになる前に汗抜きはきちんとやっておきましょう。
汗抜きをしておかないと、黄ばみの原因になります。
また今はシミがないように見えても、数年後には発生してしまっていることも…
一度シミになると落とすのは大変です…(-_-)
着物の洗濯~クリーニング編
正絹の着物は、プロ(クリーニング)にお任せしたほうが安心です。
トラブル回避のためにも洋服のクリーニングに出すのではなく、着物・呉服のお手入れ専門のお店に依頼しましょう。
着物の洗濯の失敗例
着物の汚れをキレイにしたくて洗濯したのに、さらにひどいことに…
着物を洗濯して失敗をしたという例をご紹介します。

ウールの着物を自宅で洗濯したら少し縮んでしまった…(T_T)

普通のクリーニング店に出したら、箔が剥がれて、袋帯がぺっちゃんこになって戻ってきて呆然としました…(;_;)

自宅で洗濯しようと思って、押し洗いをしたら縮んでしまって大慌て…
すぐに呉服店に相談しにいきましたが、一度縮んだものを元に戻すのは難しいと言われました…(-_-)
着物を着ているときに注意することは?
着物を着る時に注意しなければいけないことは、当たり前ですが、まず汚さないように十分に気をつけることです。
正絹は、水が大敵です。
雨の日に正絹の着物を着るような時は、雨コートが必須です。
他にも手を洗った時の水ハネや飲み・食べこぼしにも十分に注意しましょう。
食べこぼしなどは、慌てて擦ってしまわないようにします。
毛羽立ってしまい元に戻らなくなるので、乾いた布で水分を吸い取り、なるべく早い段階で、リグロインなどの溶剤を使って対応します。
それでも落ちない場合は、大切な着物です、プロにお任せしましょう。
着物の洗濯に関するQ&A
- 着物は1度着るとかなり汚れたりシワになったりするのでしょうか?
- 座りジワができたり、帯で結んだ部分はシワになったりします。
脱いだら着物用のハンガーに吊るしておきましょう。
汚れも、やはり着たら多少は汚れます。
着物の素材にもよりますが、汚れが気になるようなら着物専門のクリーニング店にお願いしたほうが安心です。 - 帯板や帯枕は洗えますか?
- 帯板は、中が厚紙なので洗濯は難しいですね。
帯枕は、暑い季節ならヘチマで代用したり、涼しい麻のタオルなどを丸めて帯枕代わりにしている人もいるようです。
まとめ
着物のお手入れ方法として、洗濯、クリーニングももちろん大切ですが、やっぱり時々は専門のクリーニング店に出して、状態を確認することも大切です。
正しい方法で洗濯して、できるだけ長く綺麗に着物を着れるといいですね。^_^
<合わせてどうぞ♫>